メタトレーダーについて

無料であり、国内業者が採用してきたことから、トレーディングソフトとして「MetaTrader」に人気がある。
だが注意が必要なこともある。

無料のトレーディングソフト

今頃MetaTrader

データマイニング、これを投資(トレード)に結び付けて発展させるのは難しい。

データマイニングからトレードのヒントをみつけ、トレーディングシステムとして完成させる道のりは見えてこない。

そこで別の考え方として、すでにあるトレードのアイデアをデータマイニングや統計解析などで確かめる方法を思いついた。
こちらの方が簡単そうだ。

そこでいろいろと探していると、トレーディングシステム用検証実践のプラットフォームとしてトレードステーションではなく、メタトレーダー(MetaTrader)に目が向いた。

MetaTraderはTradeStationと比べると、いまいち洗練されていないが、これは最初にTradeStationから入ったかMetaTraderから入ったかによって感じる違いかもしれない。

とにかくMetaTraderの強みはなんといっても”無料”ということに尽きるのであって、そのため海外のサイトでも無料に出回っている情報はTradeStationよりもMetaTraederのほうが圧倒的に多い。

しかし欠点もある。
それはFXに特化している点だ。
バックテストにおいては、ヒストリカルデータさえあればMetaTraderでも作成したトレーディングシステムの検証は株でも先物でもできるが、実用する点においては?である。

言い換えればFXで使うプラットフォームという点において無料であり多くの情報も無料で入手できるMetaTraderは、トレーディングシステムの開発やオリジナルのテクニカル指標の開発などでは最も気軽にできるものであるだろう。

そしてヒストリカルデータについては、MetaTraderを使用しているブローカーにデモ登録すれば、簡単に入手できるのである。

ただし、気をつける必要がある点が一点。

MetaTraderはブローカーからダウンロードしてはいけない。

なぜなら、そのブローカーでしか使用できないMetaTraderに改造してある可能性が高いからだ。

MetaTraderは

http://www.metatrader4.com/

ここ本家からダウンロードし、デモ用アカウントとパスワードを各プローカーから入手して使うのが使い勝手がよい。

ブローカーについは、ODL、Alpariが有名であるがとりあえず使ってみるという点ではNorth Finance、ForexBestなどは何故か株先物などのデータも見えるというのもありお勧めできる。

MetaTrader、どこまで初心者的な事を書くべきなのか判断するのは難しいが(私も初心者)、FXについて言えば「現在のだいたいの価格を知る」「自分で考えたテクニカル指標を作って表示する」という意味では最も気軽に使えるものだ。

さらにシステムトレーディングソフトのプラットフォームと前回書いたとおり、自動売買システムを作成しバックテストと運用がどれも無料で(プロバイダが独自で設定している手数料についてはもちろん発生する)行えるため、TradeStationと比べて後発ながらロシア発のソフトとして現在かなりの普及を見せている。

日本でも最近になってMetaTraderを採用したプロバイダーがでてきたのをご存知の方もいるだろう。

その自動売買システム用に完成したMetaTrader用プログラムをExpertAdviserと言い、略してEAなどとその世界の人々はよく言っている。

このプログラム言語はC言語に似ている、といくつものサイトで書かれていた。
これはTradeStationを使っているものにとって(他の言語に疎いものにとって)、頭の思考回路を一度白紙に戻す必要があることを意味している。
とにかく言語とプログラムの実行のされ方がこの2つのプラットフォームでは違う。

せっかくTradeStationで「押さえるべきポイントを理解し、なんとか自分の考えたとおりに動作するプログラムを書ける様になってきた」人にとって、MetaTraderに乗り換えることは「また一から理解と試行錯誤の繰り返しをする段階へと戻る」ことになる。

これは結局「気力」の問題なのだが、今の私にとっては
「ようやく山を登ってほっと一息ついていたところ、実はまだ山の途中であり、より高い頂上へのルートが見えた」
ような気持ちになり、EAを勉強する気が起きない。

もっと手軽な方法がないのか?、
そういう気持ちに走りがちになるのは当然なこととわかっていただきたい。(-_-;

この(手軽な)行動をとることは自分が(システムトレーダー)より多数派へと回帰することを意味する。

だが今までしてきた(トレーディングシステムの開発への挑戦の)経験が無になる訳ではなく、「一見多数派と同じに見えて、実は経験者という次の段階の視点から行う行動であり、一応私の行動は”後退”を意味していない」と言いたい。

MetaTraderの情報源

ネットの中で個人でMetaTraderについて書いているところはいくつもあり、中には有料のEAを購入そして運用の結果を公開しているところもあった。

しかし多くの人の交流が見えるサイトは日本語のものは残念ながらほとんどない。(これはMetaTraderに限らず投資全般に言えるが)

MetaTraderは前記したようにロシア発のソフトウェアであるため、当然多くの情報はロシア語のサイトに存在する。
(蛇足ではあるが投資とソフトウェア開発について、ロシアは我々日本人が一般的に思っているイメージとは違って、とても活発であり歴史も長い、と何かで読んだことがある。)

ロシア語が読めなければ探すのは英語のページとなり、今よく読むものの1つが

Forex TSD
http://www.forex-tsd.com/

というフォーラムだ。

ここにメンバー登録(無料)をすれば、参加者の投稿したEAやインディケーター、トレード手法などの情報が手に入る。

さらに有料のメンバーになると、より興味深い情報が見れるようになると管理者のNewDigital氏は言っているが、たいして内容は変わらないという発言も別の参加者からあった。

スラング的な表現の英語の書き込みも多くあり正しく理解するのに苦労するが色々読んでみるとなかなか面白い。

「トレード手法について△▽なアイデアがあるがEAを作れないので誰か作ってほしい」、という新しいスレッドが立ち、興味をもった参加者が集まり、EAを作る人、そのEAを使ってバックテストしバグの報告をする人、改良のアイデアを提案する人、こういった人々のやりとりが進行しインディケーターやEAが作られ発展していき、いつの間にか書き込みが途絶える、、、というケースのものがよく見られた。

参加者はその書き込みから推測するに17歳ぐらいから30代が多いのではないかと思われるが、中には投資暦20年以上の50歳代の人もいる。

投稿してあるEAをダウンロードして自分のMetaTraderで試せる手軽さから、簡単なテクニカル指標しか知らずに手取り足取りEAの使い方を聞いてくる人もいるし、今自分がこれだけこの手法で儲かっていると自慢している者もいる。

書き込まれている情報がどこまで有用なものであるのかは自分で確認するしかないのだが、その書き込まれた日付から情報の鮮度を考え自分でその情報の有効性を確認した上で実際にトレードしてみるということがこのようなサイトの存在によって現在は可能なのだ。

このことは私が今まで目標としてきた
「長期有効な(ロバストな)トレーディングシステムを作り上げ運用する」
こととは大きく異なる
「現在有効なトレーディングシステムを常に探しながらそれを運用する」スタイルである。

システムトレードのスタイル

すでに書いたように長期有効なシステムであることを確認する方法として、
ヒストリカルデータを用いたバックテストを行い、オーバーフィッティング(過剰最適化)しないように調整や加工を行うのが一般的であり、それがシステムの核となる”エッジ”をデータマイニングで確認(発見)した上であれば尚良いとしてきたが、
この方法によりシステムを完成させることの困難さはその道のりの途中で「そのようなシステムは幻想ではないか」と何度も思わせる。

数年前の世界的株価暴落は、現在FXも先物も行っていない私にとっては「最大ドローダウンはいつか更新される」という経験をダメージを受けずに身をもって体験できたことは幸いである。

多くの長期有効と考えられたシステムも今回の出来事はおそらく大きなドローダウンを発生させ運用の停止となっていることだろう。
(この暴落後にシステムの再最適化を行い”バックテストでは今回の暴落でも稼いでいる”と広告しているものは要注意だろう。それこそオーバーフィッティングの危険性がある)

こう考えると前記した
「短期のみ有効と見られるトレーディングシステムを運用し、そのようなシステムを常に探しそして乗り換えたり複数運用したりする」
スタイルが
”本来の目的”である「システムで運用し稼ぐ」から外れているわけではないと言えるし、
「システムのメンテナンス、トレード結果の解析」といった作業が長期有効と考えるシステムの運用でも日々必要なことを考えると、2つのトレードのスタイルの手間の差はあまりないのかもしれない。