バックテストを繰り返し、よい成績を得るためにパラメータを調整する。
ここにはバックテストでのみ機能するシステムとなる危険性がある。
過度の最適化についての記事を抜粋して和訳して紹介する。
Avoid the trap – over optimization
過度の最適化の罠を避けるには
日本に比べてトレード文化が進んだ米国では、システムトレードについて多くのウェブサイトが存在し、中にはまじめにテクニカルやシステム作成の学習のページやセミナーを開催しているものがある。
今回はある米国の証券会社のページから過度の最適化についての記事を抜粋した。
短い文章だが内容は少し高価なパンローリング社のトレード本に掲載されているものと大差はない。
毎度同じ文言ではあるが、私による英語の日本語訳なので誤字脱字誤訳の可能性があるのをご理解のうえ、お読みいただきたい。
内容:
もしあなたのトレーディング戦略の入力値やストップの値を過度に最適化しているならば、戦略のテストに使用したデータに対してパラメータをカーブフィッティングさせているリスクをあなたが負っていることになる。
長期にわたる一連の価格変動が将来においてまったく同じに繰り返されることはありえそうには思えない。
そのため、過度の最適化の罠に陥ることは避けなければならない。
最適化のカーブフィッティングに相反する建設的な最適化について、いくつかのアドバイスを下記に書いた。
1.トレーディング戦略を作る目的で最適化に頼ってはいけない。
最適化は、あなたが戦略を開発中に使う最後の段階の1つなのだ。
戦略を使いはじめたときにその戦略がすでに収益を生む状態になるまでずっと最適化する時間はない。
2.論理的なトレードのアイデアに基づいてトレーディング戦略を開発すること。
よい最適化の結果をもたらすが確かなマーケット理論に基づいていないトレーディング戦略は避けること。
3.あなたのトレーディングアイデアをいくつかの株やコモディティで検証すること。
もし検証結果が他のマーケットで悪ければ、おそらくその戦略は1つの市場データだけにカーブフィットしているだろう。
4.最適化によってみつけたベストな数値は、その数値の周辺に収益性のある数値範囲をもっている。
例えば、戦略で使う移動平均線のベストな数値が20だとすると、その両側に同様によい結果を作り出す数値(例えば18,19,21,22)をもっている。
5.戦略の評価に、バックワードテストとフォワードテストの両方を含めること。
1式のデータでテストしたときにあなたがみつけたベストなパラメータが、そのデータの初期と後期の両方で収益を出しているべきである。
もしあなたが以上のアドバイスに従ってトレーディング戦略の最適化を行うならば、あなたは意味のある最適化を自分の思うように行い、そして役に立たないカーブフィッティングされた最適化をするのを避けられるだろう。