トレーディングシステム入門:後編

最近ブログの更新が激減していましたが、この3ヶ月間システム構築の世界から離れていたことで、改めて冷静にシステムトレードについて考えることができました。

ブログ更新が滞っていたのは仕事が忙しかったことが最大の理由ですが、それ以外に先物データについての情報整理の道のりを長く感じ挫折気味だったこともあります。

そしてもうひとつ。

それまで力を入れていた「トレーディングシステム入門」をもとにしたトレーディングシステムの構築ということが、それ以前に学習してきたいろいろなトレードの知識と比べて”正当な”ものと考えていたのですが、実は構築の過程で思考の奥の方で感じていた不安が何であったのかこの3ヶ月ではっきりとしたためです。

何がということですが、まずシステムの基本にかえると過去のデータからトレーディングシステムを構築する限り、それは「過去のマーケットの性質が今後も継続する」という前提で行われます。
「今後も継続すると思われるマーケットの性質をみつけ、それをトレードに利用する」のです。

この正しい方法が「トレーディングシステム入門」に掲載されていると考えて今までやってきたわけですが、「マーケットの性質をみつける」という段階についてこの本ではゴールドディガーの構築で「データマイニング」として紹介しているだけで、さらにこのデータマイニングの内容が本来のデータマイニングの一部だけを利用したものであり、本の他大半は既存システムのパラメータと手仕舞いの最適化などについて説明しています。

実は「データマイニングの結果から考察してシステムの仕組みを作成し、バックテストを行ってそのシステムが有効であることを確認(検証)する、そして資金管理(マネーマネジメント)も組み入れる」というのがトレーディングシステム構築の正道ではないかと漠然と考えていて、「トレーディングシステム入門」の方法はそれとは少し違うのではという不安があったのです。

しかしその考えを後押しするような資料を目にすることがなかったため、その不安を解消するためもあり「トレーディングシステム入門」を実践してきました。
そして最近下記のページをネットでみつけました。

土田賢三氏のブログ「システムトレーダー、ツチダのひとりごと」
http://kenzo.enjyuku-blog.com/archives/cat184index.html

土田氏のブログには賛同できない部分もあるのですが、私が今までやってきたことが「パターン認識によるトレード」だけであったということに気づかされました。

そして日本のシステムトレーダーの書いている「正道」によるシステムの構築と運用についてのページが

「データマイニングの宝箱」
http://www5.ocn.ne.jp/~shinya91/index.html

この2つに共通するのはデータマイニングを含む統計学について学習しており、それを基にシステムトレードを構築していると思われる点です。

このページを読んでいると、パターン認識によるトレーディングシステムの構築にデータマイニングを利用するのではなく、マーケットデータのデータマイニングを行ってトレーディングシステムの構築が可能であるか検討するというのが正しく、私を含め一般的な人にとっては「トレード関連本から入るのではなく、まず統計学を学習し、その上でデータマイニングを行いトレーディングシステムを構築する」のが成功への近道、と思うようになりました。

そして先の「データマイニングの宝箱」が正道だとすれば、トレーディングシステム入門はパターン認識によるトレーディングシステムの構築を前提とした本であり初心者にとって歪んだ道への入門に見えるのです。

そのため「トレーディングシステム入門」についてのテーマは休止とし、軌道修正するために模索することにします。
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以上、「トレーディングシステム入門」終わり。