結果はたいしたことがない。
ここで重要なのはMFEの絶対値がMAEのレベルを大きく上回りMFEでの標準偏差の幅とMAEの標準偏差の幅がほぼ同じで比較的狭いということであり、これは設定したストップが有効に効率化していることを示している。
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今回のランダムなエントリーのもと効率化されたエグジットの条件を、ゴールドディガーと元のブラックジャックのシステムに取り入れた。
その結果は期待したとおりにはならなかった。
(トレードする価値のない結果となった)
このようなケースを想定していたかのように著者は、ここで学べることは「いつでも平均して同じように機能し、使用するパラメータが信頼できるものであること、そうすることが重要である」と言っている。
このような結果が出たときに、そこにいたるまでのプロセスに誤りがなかったと自信をもてることも重要ということだろうか。
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第12章フィルタリング。
すでにフィルタリングとして200日移動平均があるのだが、これは2つに分けた期間でのバックテストにおいて片方でしかいい結果を残せなかった。
しかしOBVスロープ・フィルターという条件を加えたところ非常に安定した結果が得られた。
長期の移動平均の傾きをトレードを仕掛けるシグナルとし、短期の移動平均の傾きをトレードを手仕舞いするシグナルとする。
2つの移動平均が両方上向きのときのみロング、両方下向きのときのみショートでエントリー。
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長期と短期の移動平均の組合せをさがす。1つの移動平均の組合せについて16のマーケットでバックテストを行う。
その結果をファイル出力、Excelへの取り込み、指標算出、16のマーケットでのプロフィットファクターの平均値、プロフィットファクターとその標準偏差のレシオをもとめる。
そして今度は別の移動平均の組合せについて再び16のマーケットでバックテスト、、、という行程をすべての移動平均の組合せについて行う。
得られた結果から横軸に短期、縦軸に長期の移動平均、そして面チャートとしてプロフィットファクターの平均値(図7.2)、またはプロフィットファクターと標準偏差のレシオ(図7.3)を作成し、最も堅牢な移動平均の組合せを決定する。
もうひとつの方法として、指標(プロフィットファクターの平均値、プロフィットファクターとその標準偏差のレシオ)が各マーケットのバックテストで上位10位またはすべてのマーケットの上位200位のときの長期と短期の移動平均の値の出現回数を調べる。
最も回数の多かった長期と短期移動平均のそれぞれの値を選択する。
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決定した最も堅牢な移動平均の組合せを使って今度は、別の期間(バックテストに未使用な期間)でのバックテストを行った。
この結果堅牢性が低下、一部のマーケットで利益を上げている、ということになり、別の移動平均の組合せも検討し、2つの期間でのバックテストの指標にあまり変化がない=堅牢性が高いものを選択した。
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第8章。ドローダウン(STD,ETD,CTD,TED)、最大逆行幅(略MAE)、最大順行幅(略MFE)について考える。
図8.5:横軸にSTD/MAE、縦軸に最終損益のグラフ。最終損益がプラスとなるものの多くがSTD/MAEが-0.02より大きい。
図8.7:横軸にMFE、縦軸に最終損益のグラフ。
MFEが0.05以上で最終損益がプラスとなるものが多い。
見方をかえると、MFEが0.05以上になるまでは最終損益がマイナスになるまで決済されない。
図8.9:横軸にMFE、縦軸にETDのグラフ。これから含み益のある程度を失うまでは決済されないことがわかる。
図8.10:負けトレードの横軸にSTD/MAE、縦軸にCTD/最終損益のグラフ。
これからは、はっきりとした傾向がでていない。
STD/MAEが-0.02未満のトレードは16ありそのほとんどがCTD/最終損益が-0.02となっている。
図8.11:勝ちトレードの横軸にSTD/MAE、縦軸にCTD/最終損益のグラフ。
これからほとんどがエントリー後すぐに負けトレードとなってしまったことがわかる。
STD/MAEが-0.02未満のトレードは6のみでそのうち3つだけがCTD/最終損益が0.1以上である。
図8.14:負けトレードの横軸にMFE、縦軸にCTD/最終損益のグラフ。
負けトレードの多くがトレード開始の直後からうまくいっていないことがわかる。
これを改善するためには、フィルターを使う。
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図8.16では横軸に仕掛け、STD/MAE、MFE、ETD/最終損益の時間順、縦軸に各時点での損益をグラフ表示。
これによりトレードの推移がわかる。
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第9章。スイーニーの最大逆行幅(略MAE)、最大順行幅(略MFE)。
MAE/MFEの分析の目的は、経験に基づいて最も確立の高い傾向を発見し、ストップや手仕舞いポイントなしでもトレードの結果を予測できるようにすることである。
図9.2に16のマーケットのRADのデータを使ってディレクショナルスロープ・システムのバックテストを行い、縦軸にトレード日数、縦軸に含み損益のグラフを示した。この目的は勝ちトレードと負けトレードの特徴の違いをみつけることにある。
図9.4:各日数での含み損益の平均値と標準偏差をもとめ、平均値、平均値+1標準偏差、平均値-1標準偏差のグラフ。
また平均値のグラフの最小2乗法の直線も追加。
図9.5:負けトレードのみの各日数での含み損益の平均値と標準偏差をもとめ、平均値、平均値+1標準偏差、平均値-1標準偏差のグラフ。
これにより14日以上で利益を出していなかったら決済したほうがよいと考えることができる。
図9.6:図9.4から横軸に仕掛け、STD/MAE、MFE、ETD/最終損益の時間順、縦軸に各時点での損益をグラフ表示。
図9.7:図9.2から負けトレードのみにしたグラフ。
図9.8:図9.2から勝ちトレードのみにしたグラフ。
図9.9:16のマーケットについて、横軸にMAE、縦軸に最終損益としたグラフ。
MAEがマイナスになるほど損失が大きくなるのがわかる。
図9.10:6のマーケットについて、横軸にMFE、縦軸に最終損益としたグラフ。
MFEが大きいほど最終損益も大きくなる。
表9.1:MAEをストップロスレベルとした場合、そのストップロスで終了したトレードの損益をストップロスを設定する前後での差としてあらわす。
つまり、MAEでストップロスを設定した場合の損益の変化を調べる。
MAEが大きいほどストップロスを設定したときとそうでないときの損益の結果の差がはげしい。
(ストップロスを設定しないほうがいい結果となる)
表9.2:MFEを利益目標ストップとした場合、そのストップで終了したトレードの損益を利益目標ストップを設定する前後での差としてあらわす。
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表9.1と表9.2からストップ設定前後の差がもっとも大きいときの値を、ストップロスレベルと利益目標ストップとして採用することにした。
表9.3。MAEfeと平均MFEと損益の表。MAEfeについてはよく理解できないためとばす。
表9.4。時間ベースのストップの検討。
しかしこの表は理解できない。
トレード日数と含み益が図9.4を表にしたものであるなら、その含み益の数値が一致しない。
またETDはそのトレード日数で決済となったトレードに関するMFEからの決済値までのドローダウンのことなのか。
この表は「ある日数以上経過して一定の値以上の利益を上げられなかった場合に手仕舞いする」ためのものである。
そのため、トレード日数で決済した場合のMFEが含み益でそのMFEから決済値までのドローダウンをETDとしているのか。
そうであるならば”差”は最終損益を意味することになる。
もうひとつ別のとらえかたはトレード日数のときの含み益とトレード日数以上継続したトレードすべてのETDを表している、というものである。
こちらのほうが理解しやすい。
表9.5:時間ベースのストップを利益目標のために検討。
トレード日数のときの含み益とトレード日数以上継続したトレードすべての最終損益とその2つの差。
トレード間のばらつきをなくす=標準偏差を小さくするために、トレード日数を短くすると、含み益が最終損益となる。
しかしこの表からはトレード日数を制限しない場合の最終損益の方が大きいことを表している。
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以上から得られた各ストップを241ページにまとめ、プログラムに追加した。
これを16のマーケットでバックテストしストップ追加前と後の結果を比較した。(表9.6~9.10)結果は、利益は減るが安定度が増した、というものであった。
利益の減少は、ポジションサイジングにより調整が可能である。
またここでは各ストップすべてを追加したが本来は各ストップを1つのみ追加した結果を検討する必要がある。
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第13章長期のボラティリティ・フィルター。
表13.1:ADXフィルターの参照期間とトリガーの最適な組合せ、および真のレンジフィルターの参照期間と乗数の最適な組合せ。
どちらのフィルターもパフォーマンスを向上させることはできなかった。
フィルター追加前後の差を表13.10と13.11にあるがどちらもこのディレクショナルスロープ・システムでは有効に機能していない。