インサイドデイ・ブレイクアウトの検証

2007年6月に日本語訳が出版された「FXトレーディング 通貨取引で抑えておきたいテクニカルとファンダメンタルの基本」を検証してみる。

本:インサイドデイ・ブレイクアウトの検証

原作は「DAY TRADING THE CURRENCY MARKET – Technical and Fundamental Strategies To Profit from Market Swings by Kathy Lien」。

この本は、FXに関する具体的な知識とデイトレードと短期・中期トレードについての方法が載っています。

 166ページから172ページにはインサイドデイ・ブレイクアウトという戦略について、具体的に説明しており、エントリーとエグジットについての条件、実際のトレードの例が具体的に書かれていますが、そのロジックについては当分の間は紹介することは避けようと思います。

この戦略は、説明を読んでいるとすぐに実践したくなってきますが、その前に自分で検証して判断する必要があります。
ここでトレードステーションが威力は発揮するわけですが、本に書かれているのはロジックであり、プログラムではありません。

ロジックを正確にプログラムに反映させることができるのかが、この「手に入れたトレードのアイデアをプログラム化する」という場合には必要であり、壁となります。

今回このプログラム化には、トレーディングシステムの作成をしばらくしていなかったこともあり、1週間以上かかりました。

トレードアイデアを検証するためには、まずプログラムに間違いがなく、意図したとおりに機能しなければならず、もっとも時間を要したのが「バックテストでのチャート上でのシステムの動きが意図したものと違う場合の」修正でした。(と言っても、修正に時間がかかるのはシステム作成では毎度のことですが。)

また、プログラム化ではトレードルールにあいまいさは許されません。
別の見方をすれば、一見完璧なルールであってもプログラム化を試みれば、「こういった場合はどうするのか」といった言わば「穴」が見つかる可能性があるのです。

このインサイド・ブレイクアウトでもその言わば「穴」が存在します。
具体的にいうと、例えばロングのブレイクアウトのシグナルが出てエントリーした後、それがダマシのブレイクアウトとなり、次にドテンのショートのシグナルが出たとします。

本ではドテン後のストップと利益の確定についての記述がありますが、もしドテン後に再びロングのブレイクアウトのシグナルが出た場合はどうするのか?ということについては書かれていません。

今回のプログラム化ではこの場合はシグナルに従って再びドテンのロングをすることにしました。

バックテストに用いたデータはトレードステーション証券のものを使用し、10分足チャートでテストしました。

自作のインサイドデイ・ブレイクアウトがどのように機能しているのか、図1がその一場面。上が10分足チャート、下が日足チャート。

Blongでロングのブレイクアウトでのエントリー。
しかしそれがダマシのブレイクアウトとなり、ドテンのショートがRevshortでのエントリーです。しかしまたそこがほぼ底となり反転上昇。
日足チャートでは見えてこない日中足の動きですが、これが1時間足でみたとしてロング・ショートどちらも遅いエントリーであったといえます。

InsideDayFigure1.gif

ではこの戦略のバックテストの結果ですが、次の通りです。

画像一番上に何の通貨ペアであるのか、バックテストの期間が書いてあります。
バックテストの期間は、入手できるデータによってその開始の日にちに差がでています。

InsideDayFigure2.gif

InsideDayFigure3.gif

InsideDayFigure4.gif

InsideDayFigure5.gif

いうまでもないのですが、曲線の形、トレード回数の少なさでは、、、、という結果となりました。